我がゼミを語る

 大学教育を通じて学生諸君が本当に実力を身に付けるのは、卒業論文の作成過程であろう。私は卒業論文として空回りした抽象的な議論に終始したもの、大きな課題を掲げてはあるが参考文献の結論部分をつなげただけのもの、昨今はHP上からデータを集め大して加工せず並べたもの、単なる統計処理の練習問題レベルのようなものではなく、個別具体的なテーマで、しっかりした資料的な裏付けのある成果を求めている。しかし、これが意外と難しい要求であり、不勉強な学生はたいていこの段階で脱落する。

 我がゼミでは4年生が卒業論文を提出した翌週の定例日から次年度が開始され、学生諸君は、大学の長期休暇中も休まずに、毎週、先行研究の検討にはじまり、資料類の読み込み、資料の集計や分析作業、口頭発表と追いまくられる。夏期休暇中は集計作業の最盛期であり、冬期休暇中は原稿執筆に明け暮れる。文字通り「盆も正月もない」。その上、報告に対する私の注文は厳しく、なかなか首をタテにふらない。一年間に一度もほめられなかったと嘆く卒業生も少なくない。

 しかし、学生諸君と議論を通じて論文に練り上げていくプロセスは楽しく、学生諸君の見違えるような成長を目の当たりにすることは教師冥利に尽きる。提出間近になると、根拠を示して反論する学生も現れるようになる。自らが研究の第一線で格闘している後ろ姿を見せていない限り、良き教育者としての指導は難しいだろう。しかし、年のせいか、「鬼の・・・」と呼ばれている私を相手に学生諸君はたまったものではないだろうな、と他人事ながら同情している今日この頃である。

 

歴代修士論文         (順不動)

産業構造の転換と地域社会の変貌ー農業構造改善事業と果樹生産の普及

地方資産家の経営展開ー大森慶次郎の場合_

 

歴代卒業論文             

地方民営鉄道経営史に関する一考察ー山梨電気鉄道を素材として

農業構造改善事業に関する一考察ー昭和30年代の田富町藤巻地区の場合

近代金融史に関する一考察ー安田銀行の多摩進出をめぐって

戦前日本の女子労働に関する一考察ー製糸女工の流出と山梨善誘協会

高度成長以降の地方小都市の変貌ー静岡県長泉町の実態分析を素材にして

戦前における無尽業の実態分析ー営業無尽の分布状況とその全国的位置づけ

戦後の山梨県における組合製糸の動向とその意義ー組合製糸模範社を素材として

大森銀行の営業展開と地域産業ー決算公告を素材として

味噌醸造業の再編成過程に関する一考察

養鶏業における共同経営の試みとその課題

大正期の農村社会における商品流通の一側面ー中巨摩郡大井村布袋屋米穀商を素材にして

甲府市の商業構成の特質

昭和初期における山梨県の副業の特質

戦後郡内地方に於ける機業生産の動向

甲府紡績の研究

山梨県における木炭生産の動向についての一考察

郡内機業の研究

中小機械金属工業の変貌過程に関する一考察ー高度経済成長以降の大田区製造業を素材として

明治前期農村社会の史的分析ー「甲斐国現在人別調」を素材として

山梨県果樹農業発達史に関する一考察

奥むめお試論ー雑誌『職業婦人』を素材として

山梨県近代交通経済史論ー富士山麓電気鉄道を素材として

戦後における山梨県繊維産業の動向ー郡内機業地での系列化の進行を中心に

近世における甲州農村の史的分析ー年貢皆済目録の長期的検討を中心にして

山梨県における近代産業史に関する一考察ー戦間期の器械製糸工場の系譜的考察

富士川舟運史に関する一考察

八ツ岳南麓開拓に関する一考察ー戦後のキープ協会高冷地実験農場を事例として

地域産業発達史に関する研究ー宮川電灯株式会社を素材として

静岡県茶業史に関する一考察ー明治中期段階の地方茶業家の経営分析を中心に

地域産業史に関する一考察ー近代以降の「地主型酒造家」の経営展開

戦後における静岡県東部茶業地域に関する一考察ーS製茶工場の経営資料を素材として

山梨県の蚕糸業に関する一考察ー大正〜昭和前期の郡内地域での動向を素材にして

生糸ブーム期における玉糸製糸工場の動向ー大藤玉繭製糸株式会社を素材にして

北信地域の果樹地帯形成に関する一考察ー果樹農業類型の経済地理学的検討

富士身延鉄道の研究

戦前日本の若年労働力に関する一考察ー京浜地域における重化学工業化と企業内教育

山梨県における在地地主経営の動向ー田畑小作入付米請取帳の分析を中心に

日本の生糸輸出における神戸港の位置ー二港分立をめぐって

産業組合に関する一考察ー東山梨郡の産業組合の一事例

戦後の山梨県の養蚕業の動向

戦後山梨県農業に関する一考察

静岡県近代工業発達史の研究

地場産業の変遷と高校生の進路

戦後の地域交通に関する一考察

地場産業と地域経済

化粧品業界の発展とその特質

地場産業に関する一考察

近世都市における物価動向とその特質

積雪地域における農業生産の動向と就業構造

近代地方都市の形成と商業の変遷

近代以降の在来産業の再編成に関する一考察ー西島地区・市川地区の製紙業を素材にしてー

在宅福祉サービス事業の地域的特質ー格差是正の方途を探るー

鉄道資本による観光事業の展開と特質

アパレル産業の発展と再編成ー流行・ファッション雑誌・世代ー

高齢者福祉への取組と課題ー特別養護老人ホームの現場からー

長野県坂城町における工業集積の構造と特質

豊かさの指標と地域社会ー女性の社会進出の視点からー

近代日本と女子労働ージェンダー論的視点からー

甲府中心商店街の変貌とその特質ー高層化と店舗展開ー

近世甲州農村の歴史人口学的研究ー家族形態と労働力ー

花きの生産動向と時代的背景70年代以降のチューリップを素材としてー

高校野球とマスコミ論調ー野球留学の功罪ー

海外移民と地域社会ー広島の実態とその特質ー

農村工業化と就業構造ー山梨県峡北地域の場合ー

戦後の観光開発と那須地域での動向

製紙都市富士市の変貌過程に関する一考察

高度成長期以降の人口動態と就業構造

ファッション・ブランドの受容と時代的背景

醸造業の動向とその特質

山梨県の宝飾産業の変遷とその特質ー地場産業の実態と課題ー

観光ブームと地域社会ー観光形態の変化とそれへの対応ー

近代山梨における金鉱山開発事業の動向ー稼業主体と地域性ー

葬儀業界の成長とその社会的背景ー山梨県域を事例としてー

「ワイン王国山梨」の実像と虚像ー「地産地消」の原点を求めてー

高度経済期以降の観光業界の動向ー顧客と業界のミスマッチー

子供の置かれた環境の変化とその影響ー「食」と「非行」ー

茨城県西地域の変貌過程とその特質ー地域構造と都市化の進行ー

地方金融機関の機能と役割に関する一考察ー山梨中央銀行を事例にー

教育格差の実態と地域的特質ー公教育のあり方を問うー

企業メセナ活動の現状と課題ー企業博物館認識を問い直すー

 

                                    2009年 7月 1日 更新