第2学年 算数科学習指導案
日 時 平成10年10月16日(金)
対 象 高知市立神田小学校 第2学年
指導者 山梨大学教育人間科学部 中 村 享 史
1.単元名 「かけ算」
2.本時の位置づけ
本時は、かけ算の導入である。かけ算の指導において、「2年生の九九は全部覚えることが指導の重点である」という意見がある。確かに覚えていないよりも全部を覚えていた方がよい。しかし、覚えることが指導の重点では日々の算数の授業はどう展開するであろうか。おそらく、九九カードを作り、それを覚えることになる。覚えた九九を表にして何の段まで完成したかを掲示板などに貼ることもある。また、九九競争と称して何秒で九九が全部言えるかを競争することもあるのではないだろうか。これらの指導で、九九を覚えることは達成できる。しかし、子どもが自分で「九九を考えた」という意識は全く持たない。また、覚えることが得意な子にとっては楽しい算数の授業であるが、なかなか九九を覚えられない子にとっては苦痛な算数の授業になる。
そこで、操作活動を通して、かけ算の意味や九九の構成を子ども自らがつくりだす授業を構成したいと私は考える。そのことが、子どもが自ら問い、算数をつくり上げる活動となり、「算数は楽しいな」「面白いな」「不思議だな」と子どもが興味を持つようになる。
具体的には、九九の意味を知る教具としてパターンブロックを用いる。また、かけ算の導入は「累加の考え」から、たし算との関わりを大切にする。
3.パターンブロックとの関わり
パターンブロックは、6種類の図形から成り立っている。材質は木製で、それぞれの形に色がついている。図形の種類と色は次の通りである。正六角形(黄)等脚台形(赤)、平行四辺形(青)、ひし形(茶)正方形(橙)正三角形(緑)である。
この色がついていることによって、子どもは図形の名称を知らなくてもお互いに会話は成立する。「緑の形」といえば正三角形を表すことになる。自分が考えていることや発見したことを言葉で表現するとき、色を使って相手に伝えることができるので会話がスムーズに進む。本時は、この色に着目して、「変身」という言葉から、かけ算の場面を導入する。ブロックを葉っぱに見立て、色つきの葉っぱを食べることによって、虫の色が「変身」する。そこにストーリーを持ったお話つくりをすることになる。
お互いの形は、大きさの関係がある。黄色(正六角形)と他の色との関係をみる。黄色1に対して、赤2、青3、緑6である。したがって、ある図形を同じ色のブロックだけで敷き詰める時、どのブロックを使うによって、全体の個数が違ってくる。本時は、この黄、赤、青、緑のブロックを活用する。虫の体を構成する場面で、黄色のブロックを基本に考え、ブロックの数を数える活動を行う。赤は2の段の九九、青は3の段の九九、緑は6の段の九九として使うことができる。
それぞれの形は、各辺の長さが1インチになっている。また、厚さは1cmである。大きさは子どもが操作しやすいものである。また、厚みもあるので平面的に並べるだけでなく、立体的に積み上げることもできる。
更に、操作の仕方を全員に知らせるためOHP用の色付きで透明なプラスチックでできたブロックもある。これは、OHPの上で実際に操作することで、その動かし方やできた形の様子が全員の子どもに分かるようになっている。本時は、このOHP用のブロックで、実際に子どもの操作を映し出し、ある部分が分かれば、後はかけ算で表すことができることを見せる。また、黒板提示用のブロックも必要に応じて用いる。
4.本時の指導
(1)本時の目標
(関心・意欲・態度)
・パターンブロックを用いて形を敷き詰める中で全部の数を数えようとする。
(数学的な考え方)
・同じ数ずつ並んでいるブロックをまとまりを作って工夫して数える。
(表現・処理)
・ブロックの並び方をかけ算の式で表すことができる。
・たし算を使って、かけ算の答えを求めることができる。
(知識・理解)
・かけ算の意味について「累加の考え」が分かる。
(2)本時の展開


(3)本時の評価
・敷き詰めたパターンブロックの数を工夫して数えたかを観察でみる。
・たし算とかけ算の関係やかけ算の意味、かけ算で表すよさなどに気づいたかを学習シー トや学習感想からみる。
5.資料 (配布した虫の絵)
