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私の専門は西洋史、とくに近世ドイツ(神聖ローマ帝国)における連邦制の伝統です。日本で連邦制というと、権限・財源の「委譲」のように、とかく上(中央政府)から下(自治体)に与える「地方分権」と考えがちです。しかしもともと連邦制とは、自主独立の自治体(州・領邦)が先にあり、それらが合意によって不戦の誓いをし、共同の政治を行い、財源を作り出す中で発展していったものでした。中央政府はそれらを管理する組織として、あとから作られたのです。スイス、ドイツ、アメリカなど、連邦制の国はみなそうでした。しかも面白いことに、ドイツの場合には選挙で選ばれながら、輝かしい栄光を背負った皇帝ハプスブルク家がいて、自治体同士の不信感を取り除き、調整する役割をしていました。この奇妙なシステムには、EUを組織して隣国同士の不信感を取り除いたヨーロッパの政治的な知恵と、文化の違いを乗り越えて共同の政治を行うとはどういうことなのかという、現在の課題に答えるヒントが隠されています。もちろん授業や卒論指導では、こうした分野にとらわれず、12世紀から20世紀までの西洋史一般を受け持っています。
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